輸出連関乗数 2010 4 18

書名 「10年不況」脱却のシナリオ
著者 斎藤 精一郎  集英社新書

 日本の輸出の対GDP比は、16%ほど(2008年)であるから、
日本は、輸出依存型経済ではないという見方があります。
 しかし、現実問題として、過度の円高や輸出の減少は、
日本企業にとって、大きなダメージとなります。
そして、結果的に、日本経済にも大きな影響があります。
 なぜか。
この本では、この問題について、こう書いてあります。
(以下、引用)
日本には、構造的な根深い問題が、その数字の裏に潜んでいる。
構造的な問題を考えるときに役立つのが、「輸出連関乗数」である。
(中略)
「輸出連関乗数」とは、
一単位の輸出の増減がGDPをどのくらい増減させるかの波及度を表す係数のことである。
日本とドイツでは、この「輸出連関乗数」あるいは総輸出波及乗数が異なるのだ。
(中略)
日本はドイツに対して二倍強も乗数(純輸出ベース)が大きいのが普通だ。
となると、輸出が落ち込んだ場合、日本の落ち込みはドイツに比べて
二倍以上もGDPを下落させるということだ。
(以上、引用)
 数十年前まで1ドル360円だった為替レートが、
今や1ドル92円となっています。
 それでも、十分な利益を確保してきた日本企業は立派と言えるでしょう。
しかし、中小企業は、大きなダメージを受けたと思います。
 さて、人民元が高くなると、中国企業は、どうなるでしょうか。
急激な円高でも生き残ってきた日本企業のように、生き残れるか。













































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